「マリア・ヒタ
〜 王女の出現」

満を持してのデビュー。故エリス・ヘジーナの娘、マリア・ヒタのファースト・アルバムは昨年人々の期待のなかワーナーからリリースされた。予想を超えた素晴らしい歌姫の出現にブラジル中が大いに沸いたが、彼女にエリス・ヘジーナの面影を求めていた人々にとっては少し違ったお披露目となった。
 
マリア・ヒタ・マリアーノは1978年、当時のブラジル歌謡界の女王エリス・ヘジーナと名プロデューサー、セーザル・C・マリアーノの間に生れる。1982年に母を亡くし、1994年から2002年までの青春時代をアメリカで過ごす。ブラジル帰国後、初めは出版関係の仕事を目指すも、家族や知り合いの勧めからサンパウロ市にある小さなライブ・ハウスで密かに人前で歌い始める。エリス・ヘジーナが母であることを伏せての活動であったが、母親同様の突出した歌唱力は瞬く間に各レコード会社の注目を集め、デビューへの道を歩むこととなる。
 
マリア・ヒタのデビューはブラジル音楽界で近年例を見ないほど慎重に計画された。彼女がインタビューで「人々が私に母の面影をみるのは自由だが、彼女の偉大な功績を私に引き継がせようとするのは母に対して失礼だ」と述べていることからもわかるように、エリス・ヘジーナ路線を踏襲させられることを嫌い、独自の音楽性を確立しようとしたからである。
 
待望のデビューアルバム『Maria Rita』では、新旧取り混ぜての鋭い選曲が光るが、ここでもミルトン・ナシメントや人気バンド、ロス・エルマノスのマルセロ・カメロから楽曲を提供されるという別格ぶりをみせている。そして、母親と同じ歌をあえて歌わないという選択をしたにもかかわらず、その歌が母親ゆずりの「魔法のスイング」の魅力にあふれていることは疑いようもなく、それは我々にとって、そしてやはり彼女にとっても喜ぶべき"自然の恵み"であろう。
 
アルバム『Maria Rita』は本国ブラジルですでに50万枚以上を売り上げたほか、欧州でも大ヒットを記録、ポルトガルでは昨年のトップ10アルバムに入った。また、9月1日に発表となった今年のラテン・グラミーでも5部門にノミネートされ、ベスト・ニュー・アーティスト賞を含む3部門を受賞した。
 
♪代表曲
CARA VALENTE CARA VALENTE CARA VALENTE
ENCONTROS E DESPEDIDAS ENCONTROS E DESPEDIDAS ENCONTROS E DESPEDIDAS
DOS GARDENIAS DOS GARDENIAS DOS GARDENIAS
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