「ドリヴァル・カイミ
〜 バイーアの象徴」
バイーアの神々、海、青い空、愛。それらのすべてを表現した、ドリヴァル・カイミ。作曲家として、そして歌手として、純朴でありながらモダンといわれるドリヴァルのサウンドはブラジル音楽の礎の一つであり、同じバイーア出身のジョアン・ジルベルトやカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ガル・コスタをはじめ、ブラジル音楽の全てに影響を与えてきた。
1914年サルヴァドール生まれ。少年のころから独学でギターを覚え、作曲を始める。22才のとき地元のカーニヴァルソングのコンクールに入賞。24才で当時ブラジルの首都であったリオデジャネイロに向かう。
リオに着くと、大スター、カルメン・ミランダの映画『Banana da Terra』(1939)に「O Que E Que A Baiana Tem?」を提供するチャンスに恵まれ、大ヒットを収める。これをきっかけにカルメンはハリウッド映画界に進出することとなる。
ドリヴァルは引き続き、当時の大歌手ルシオ・アルベスやディック・ファルネイなどに「Nao Tem Solucao」、「Sabado em Copacabana」、「Nunca Mais」、「Marina」といった名曲を提供していく。50年代に入っても「Rainha do Mar」、「Promessa de Pescador」、「Dora」、「Peguei um Ita no Norte」などを作り続ける。
1954年に最初のソロLP『Cancoes Praieiras』を録音。ここでも「A Lenda do Abaete」、「Saudade de Itapoa」、「E Doce Morrer no Mar」、「O Mar」といった名曲を温かみのある歌声で演じた。
50年代後半には、ジョアン・ジルベルトは崇拝するドリヴァルの「Rosa Morena」、「Doralice」、「Samba de Minha Terra」、「Saudade da Bahia」などをボッサビートで演じ、永遠のボサノヴァ・クラシックたらしめた。
64年にアメリカの国民的ポップスター、アンディ・ウィリアムズがドリヴァルの「Das Rosas」を歌って大ヒット。翌年、ドリヴァルはアメリカツアーを行い、アルバム『Caymmi (Kai-ee-me) and The Girls From Bahia』(65)もリリースされた。
70年代に入ると、自ら祭司を務めるアフリカ起源の宗教カンドンブレにまつわる「Oracao Pra Mae Menininha」、「Menininha do Gantois」、「Sargaco Mar」などの曲が注目を集める。また、75年のテレビドラマ『Gabriela』の主題歌として作曲した「Modinha para Gabriela」はガル・コスタが歌って爆発的なヒットを収めた。
1984年にはフランス芸術文化勲章受章。同年のリオのカーニヴァルでは、マンゲイラがドリヴァルをテーマとしたパレードで優勝している。
2000年にリリースされた7枚組みのCDボックス『Caymmi Amor e Mar』はドリヴァルの初期の音源(78回転、10インチアルバムなど)および50〜80年代に録音されて廃盤となっていたLPの多くを収め、ファン垂涎のアイテムとなった。
ドリヴァルの子供たちも音楽の道を歩み、ナナ・カイミ、ドリ・カイミ、ダニーロ・カイミはMPBを代表するアーティストとなった。2004年には、三人が父の90才の誕生日を祝い、本人を客席に招いてライブを行い、『Para Caymmi, de Nana, Dori e Danilo - 90 anos』(04)としてリリースされた。
「ドリヴァルの音楽はバイーアの海のように果てしなく無限だ」― 彼を敬愛してやまなかったアントニオ・カルロス・ジョビンが残した言葉である。
♪代表曲
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SAUDADE DA BAHIA
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